2008年11月アーカイブ

◎WEコラボ!研究は厚生労働省「平成20年度障害保健福祉推進事業(障害者自立支援調査研究プロジェクト)」の指定を受けて進めています。

 

◎ウェブページに<WEコラボ・リンク集>を新設しました。

 

ところで、11月7日(金)の午後、「第15回 狛江の子どもたちを考える講演会」にお招きいただき、<学校と地域ではぐくむ子どもの未来>というテーマでお話しさせていただく機会を得ました。いろいろ考えあぐねた結果、内容としてはスウェーデンにおける医療・教育・福祉ラインにおける個別支援計画づくりの体制から日本の仕組みを考えるということにつきてしまったのですが、その準備の過程で「あー、まだまだ勉強しなくてはいけないなぁ」との思いを強める出会いがありました。

例えば、大阪市の「ほっとスペース」事業。不登校の子どもたちの居場所づくりと相談支援を大阪市子ども青少年局が所管して、(財)大阪市教育振興公社青少年事業部とNPO法人等が共同実施すするというものです。市内に13カ所あり、写真は全国地域生活支援ネットワークでもおなじみのNPO法人「み・らいず」さんが運営に関わる「ほっとスペース生野」の入り口。子どもたちのデザイン・装飾とのことです。

NPO法人み・らいずHP http://www.me-rise.com/

HOT-SPACE-IKUNO.jpg小学校低学年、高学年、中学生3人の少女とスタッフ、お母さん一人が、一緒に人生ゲームに興じています。少なくともここでは、笑顔、穏やかな話し声、愉快な笑い声、そして初めての私たちを歓待してくれる声があふれていました。

ちなみに、NPO法人としての取り組みとDEEPな大阪案内をしていただいた道中/車中の会話がレッドカーペット以上に楽しかったのも、すてきな思い出になっています(笑)。

ところで、ほっとスペース旭東の運営にかかわっているNPO法人は「淡路プラッツ」さん。小生はまだ岩波ブックレット「「ひきこもり」から家族を考える」という小冊子を知っただけですが、代表の田中俊英さんの講演を聴かれたり、著作を読まれた方もいらっしゃることでしょうね。

こうした見聞が広まれば広まるほど、今年の1~3月にかけて、スウェーデンの<リソース学校>を夢中で訪問していたことを思い出します。この学校は粗暴行為や発達障害等々の理由で、どうしても対人関係上では通常の学校に適応できない小中学生を対象とする小規模な公立学校です。定員は8~12人程度が多く、大きめの戸建てを市が借り上げ、通常学校の10倍以上の人件費を投入して、「市内・市立で学習機会を保障する」というものでした。やはりそこでも、すてきな笑顔、落ち着いた空気に出会い、楽しい時間を共有させてもらいました。「分けるけれども一緒であり続ける」「分けるけれども、その子どもの人格的統合が促進される」・・・この実践は<分離的統合>というキーワードの下で議論されています。

おそらく日本の現状を考えた場合、この<分離的統合>はフリースクール、フリースペース、NPO法人等による子ども支援活動、そして児童期の生活支援サービス・家族支援サービスと学校教育がどのように<協働>しうるか、という課題設定になることでしょう。まもなく、WEコラボ研究会は第2回の全体協議会を滋賀県で開催します。おそらく滋賀でも、「障害」福祉という切り口からだけでは迫りにくい支援課題を検討することになろうかと思います。今、改めて、子どもの支援と<分離的統合>というキーワードに思いを寄せています。

◎スウェーデンの<リソース学校>に関心がある方は次の学会発表要旨をご覧下さい。

KASESUSUMU-2008-SNE.pdf(日本特別ニーズ教育学会2008発表要旨--加瀬進)

◎WEコラボ!研究は厚生労働省「平成20年度障害保健福祉推進事業(障害者自立支援調査研究プロジェクト)」の指定を受けて進めています。

 

WEコラボ研究会資料:長野チームの資料を更新しました!

 ところで、長野チームの資料を更新しながら、出生前の妊婦・夫婦ケアから出産~発達健診~<障害>の発見とチーム支援~納得の就学という一連の早期総合支援体制づくりに改めて想いをよせていました。

 私事になりますが、今年中学2年生になった愚息の出産は、小さな街の助産院での「歌う水中出産」。かつて、ある会合で5歳と2歳の長女・次女とその「歌う水中出産」に立ち会った経験を得意げに話した小生に対して、静かに、淡々と、ご自分の体験を語ってくださったお母さんのことを鮮明に思い出しています。その方も助産院で出産されたものの、赤ちゃんが仮死分娩で、複数の病院をたらい回しにされたあげく、一命は取り留めたものの、重い障碍を背負うことになった、とのことでした。

 WEコラボは、当面「福祉Wと教育E」の協働から始める、というコンセプトですが、早期総合支援体制づくりを考えた場合、保健・医療は外せませんね。やはりWe/我々全員のコラボが必要です。長野チームも保健師の皆さんやお医者さんたちともコラボしながら、この<早期総合支援体制>を作り上げようとされており、今回の取り組みはその一部を構成しています。

 ちなみに、昨年9月から半年あまり、スウェーデン南部の大学街で研究生活を送る機会を得ましたが、その時の一つのテーマが、スウェーデンにおける早期総合支援の仕組みを知ることでした。今年8月に開かれた日本発達障害学会で概要を報告しましたので、その要旨を次にリンクしておきます。

KASESUSUMU-2008-Hattatusyougaigakkai.pdf(加瀬進_2008発達障害学会原稿)

 なお、日本の早期総合支援体制ですが、今回の研究を通して、例えば長野チーム・滋賀チームが示してくださる水準は北欧に勝るとも劣らないものだと確信しつつあります。問題はそれが全国水準で、確たる法制度的・財政的裏付けをもって展開されているか、という点です。もちろん、だからこそのWEコラボ!ではあるのですが・・・。

 

さて、連休を終えて11月。来月開催のWEコラボin滋賀に向けて、元気にフルスロットルです!

<追伸>

文字を少し大きくしてみました。また、やはり文字だけは何となく寂しげなので、スウェーデンの家庭料理をごちそうになったときの写真を貼り付けておきます。ローストビーフと茹で野菜のキノコソース添え、といったところでしょうか。質素だけれど豊かな暮らし・・・改めてご紹介しますね。

  Kristianstad2008-101s.jpg